未経験でITエンジニアとして内定をもらったものの、
「実務についていけるだろうか」
「何を勉強しておけばいいのか分からない」
と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
私自身、未経験からエンジニアに転職し、入社後は約3ヶ月間フルリモートで外部研修を受講しました。
さらにその後はサブ講師として、20名以上の未経験者の学習支援や質問対応を行ってきました。
その経験からはっきり言えるのは、
新人エンジニアが最初につまずく原因の多くは「努力不足」ではなく「優先順位のズレ」 だということです。
この記事では、未経験エンジニアが実務で本当に最初に覚えるべき技術を5つに絞り、
「どこまでできればOKなのか」という目安とあわせて解説します。
Contents
結論|新人エンジニアが最初に覚えるべき技術はこの5つ
新人エンジニアが実務で最初に覚えるべき技術は、次の5つです。
- 担当言語(Javaなど)の「読み書きの基礎」
-
SQLの基本(CRUDとJOINの考え方)
-
Gitの最低限の操作
-
テストの考え方(単体・結合)
-
デバッグ・調査スキル(Chrome DevToolsなど)
重要なのは、流行りの技術や高度なフレームワークではありません。
現場で「毎日使う」「避けて通れない」技術から順番に身につけることが、新人としての評価を安定させる近道です。
なぜ「何から勉強するか」で実務のつまずき方が変わるのか
未経験エンジニアが実務で苦労するかどうかは、
勉強量そのものよりも、最初に何を優先して身につけているか に大きく左右されます。
実務では限られた時間の中で作業を進めるため、
勉強の方向性がズレていると、理解が追いつかずつまずきやすくなります。
ここでは、新人が実務に入る際に押さえておきたい前提と、つまずきやすい原因を整理します。
新人に最初から完璧なスキルは求められていない
まず前提として、未経験で入社した新人に対して、
現場がいきなり高度な実装力を求めることはほとんどありません。
多くの現場で必要とされるのは、
-
説明を受けた内容を理解しようとする姿勢
-
分からないことを整理して質問できること
-
基本的な作業を安定してこなせること
といった、実務を進めるための土台となる力 です。
実務でつまずきやすい新人の共通点
一方で、実務で苦戦しやすい新人には共通点があります。
-
基礎が曖昧なまま応用的な内容に手を出している
-
勉強している内容が、実務で扱う作業と噛み合っていない
-
エラーや不具合に対して「何が分からないか」を整理できていない
これらは能力不足というよりも、
「何を優先して理解すべきかが整理できていない状態」 で起きやすいものです。
技術① 担当言語(Javaなど)の「読み書きの基礎」
新人エンジニアが実務に入って最初に直面するのは、新しい機能を作ることではなく、既存のコードを理解する作業です。
そのため、最初から高度な実装力を身につける必要はありません。
まずは担当言語の基本構造を理解し、「このコードが何をしているのか」を説明できる状態を目指すことが重要です。
新人に求められる言語スキルの目安
新人エンジニアに求められるのは、
「ゼロから難しいコードを書けること」ではありません。
それよりも重要なのは、
-
既存のコードを見て、何をしているか大まかに説明できる
-
処理の流れを追い、修正箇所の見当をつけられる
といった 「読む力」 です。
最初に押さえておきたいポイント
実務に入る前に、最低限押さえておきたいのは以下です。
-
変数・型・if文・for文の役割
-
メソッドの引数と戻り値
-
クラスが「何のために存在しているか」を言葉で説明できる
講師として多くの新人を見てきましたが、
このあたりが曖昧なままだと、研修後の実務で一気に苦しくなります。
技術② SQL(CRUDとJOINの考え方)
新人エンジニアが実務で最初につまずきやすい技術の一つがSQLです。
理由は、文法の暗記ではなく、データ同士の関係性を理解する力 が求められるからです。
SQLは「正しく書けるか」よりも、「何を取り出そうとしているか」を説明できるかが重要になります。
ここでは、新人が特につまずきやすいポイントと、最低限押さえておきたい考え方を整理します。
なぜSQLは新人がつまずきやすいのか
SQLは文法自体はシンプルですが、
「データがどうつながっているか」をイメージできないと理解が進みません。
特に多いのが、
-
JOINが何をしているのか分からない
-
WHEREとONの違いが説明できない
といった状態です。
実務で最低限できればOKな範囲
新人のうちは、以下が理解できていれば十分です。
-
SELECT / INSERT / UPDATE / DELETE の意味
-
INNER JOIN と LEFT JOIN の役割
-
条件を絞るという発想
完璧なSQLを書く必要はありません。
「どのテーブルから、どんな条件でデータを取っているか」を説明できること が重要です。
技術③ Git(チーム開発の最低限)
Gitは、新人エンジニアが実務に入る際に避けて通れないツールの一つです。
チーム開発を円滑に進めるための「前提知識」 として身につけておくことが重要になります。
実務では、Gitの操作は基本的にルールや手順が決まっており、
新人のうちは指示どおりに作業できていれば大きな問題になることは多くありません。
一方で、最低限の理解がないまま作業を進めると、
意図せずチームに影響を与えてしまうケースがあります。
新人がつまずきやすいGitのポイント
新人エンジニアによく見られるのが、次のようなケースです。
-
mainブランチに直接コミットしてしまう
-
pullとfetchの違いが分からず混乱する
-
コンフリクトが発生して作業が止まってしまう
これらは珍しいミスではありませんが、
Gitの役割や仕組みを理解していないと起こりやすいポイント でもあります。
最初に覚えるべきGit操作
新人のうちは、Gitのすべてを理解する必要はありません。
まずは、次の内容を押さえておけば十分です。
-
clone / pull / commit / push の基本操作
-
ブランチを切る意味
-
なぜコンフリクトが起きるのか
これらを理解していれば、
チーム開発の流れを大きく崩すことなく作業を進めることができます。
Gitは「慣れ」で身につく技術
Gitは、書籍や座学だけで完全に理解するのが難しい技術です。
実際に操作しながら、
「どういうときに何が起きるのか」を体験的に覚えていくことが重要になります。
最初から完璧に使いこなそうとせず、
怖がらずに触りながら慣れていく姿勢 を持つことが、新人エンジニアにとっては何より大切です。
技術④ テストの考え方(単体・結合)
新人エンジニアが実務に入ってから意外と戸惑いやすいのが、
「どこまで確認すれば十分なのか」というテストの考え方です。
最初はコードを書くことに意識が向きがちですが、
実務では動作確認や再現性のあるチェックが作業の一部として求められます。
ここでは、新人のうちから意識しておきたいテストの基本的な考え方を整理します。
テストを軽視すると起きること
新人の頃は「動いたからOK」と思いがちですが、
実務ではテストが非常に重要です。
テストを軽視すると、
-
修正漏れが頻発する
-
再テストが増え、作業が遅れる
-
信頼を失いやすい
といった問題につながります。
新人が意識すべきテスト観点
最初に意識してほしいのは、
-
正常系と異常系を分けて考える
-
どこを確認したのかを言語化する
-
結果を残す意識を持つ
完璧なテスト設計は不要ですが、
「考えて確認した」という姿勢は必ず伝わります。
技術⑤ デバッグ・調査スキル
新人エンジニアが実務で直面する課題の多くは、
「コードが書けないこと」よりも「エラー原因が分からないこと」です。
実際の現場では、エラーや不具合が発生することを前提に作業が進みます。
そのため、問題を正確に把握し、原因を切り分けるための調査スキルは、
新人のうちから意識して身につけておきたい重要な要素になります。
「書く」より「調べる」時間が長い
実務では、コードを書く時間よりも
エラーや不具合の原因を調べる時間の方が長いことも珍しくありません。
そのため、
-
エラーメッセージを読む
-
ログや通信内容を確認する
-
仮説を立てて切り分ける
といった 調査スキル が非常に重要です。
最低限身につけたい調査の流れ
新人のうちは、
-
何が起きているかを把握する
-
どこまで分かっていて、どこが分からないか整理する
-
説明できる状態で質問する
この流れを意識するだけで、
周囲からの見え方は大きく変わります。
入社前にやるなら「この順番」でOK
勉強時間が限られている場合は、次の順番で取り組むのがおすすめです。
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担当言語の基礎(読む力)
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SQLの基本
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Gitの最低限操作
-
テストの考え方
-
デバッグ・調査スキル
すべてを完璧にする必要はありません。
「この方向で努力している」という状態を作ること が何より重要です。
まとめ|新人エンジニアは「完璧」より「方向性」
未経験エンジニアにとって一番怖いのは、
「何をすればいいか分からないまま時間だけが過ぎること」です。
最初から完璧を目指す必要はありません。
正しい順番で基礎を積み重ねていけば、確実に実務には慣れていきます。
この記事が、
「これだけはやっておけば大丈夫」という安心材料 になれば幸いです。